伊勢街道 (17)

伊勢街道 (17)
立派な家の前に、立派な駐車場の屋根・・・・ではありません。

天理市丹波市。(「てんりしたんばし」ではなく、「てんりしたんばいち」と読みます) この屋根の下は公道です。名前を見てある程度予想出来ると思いますが、ここには市場がありました。(今のスーパーみたいなものではなく、個々の商店の集まりです)

それも掲示してあった資料によると室町幕府の時代から・・・。

この道、「上ッ道」と古代には呼ばれていたメインストリート。 所謂幹線道でした。 今の風景は、本当にこの屋根の向こうの家の駐車場みたいな感じになっていますが、私の子供の頃は、こういう家は無くて、古い商店、そう、八百屋さんのような商店だったと思います。 そこに大きな屋根があって、自分的にも不思議な光景でした。

ただ、記憶は完全なものではないんです。

ここを通るのは決まって日が暮れてしまった夜。 毎月一日参りで大神神宮にお参りしていた我が家は、父親が仕事から帰ってきてからそそくさと車で出かけていたのですが、その時にこの道を抜け道として使うことが多かったように記憶しています。

なので、私の記憶の中では、大きな屋根の中を何故か車が進んで行く、これです。 確か写真の家の場所は大きな木造の商店で、その前に果物箱だかトロ箱だかが積み上げられていた! っていう、そういうイメージだけが残っています。

暗かったのであまりよく見えませんでしたし、車で通れば一瞬のこと、その後はすぐに忘れてしまっていましたから、本当のところはどうだったのか!? その当時に商店が機能していたのかどうかも本当のところはわかりません・・・。

でもね、あれから数十年も経つのに、この屋根、残っていたんですよ。 ちょっと感慨深かったです、ほんとうのところ。 一時期は、この、ほんの近くに住んでいたというのに、完全に忘却していましたし・・・。

ただ、今の時代に完全に取り残されてしまったのか、時折通る自動車のエンジン音が聞こえるだけの、本当に、本当に静かな街になっていました。 人が住んでいるのだろうかと不思議に思うぐらいに。

出かけると本当にいろいろなものに出会います。ましてや、知っている土地に行くと自分の記憶とのギャップに驚かされます。

この丹波市へは後日、大きなカメラを持って再び訪れたいと思います。 完全に廃れきってしまう前に、再び私の記憶の奥に埋もれてしまう前に・・・。

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